年収1億円の株式投資

株式投資記録と分析

シャルマの未来予測 これから成長する国 沈む国 ルチル・シャルマ著

ルチル・シャルマとは

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの新興国市場およびグローバル・マクロ担当ディレクター

新興国市場で250億ドル、その他マクロ関連で150億ドルを運用し、世界で最も多くの資金を動かす投資家の1人。前著のブレイクアウトネーションズの各国の予測は見事で、大ベストセラーとなる。また、世界の「トップ・ヤング・リーダー」及び「世界の頭脳100人」にも選ばれている。

 

未来予測の格付け方法

  • 2015年から今後5-10年の予想
  • 10の評価基準を10段階で採点し「優秀」「平均」「劣等」に分類
    ※最も信頼できる基準は「過剰債務」民間債務の対GDP比が5年で40%以上増加すると景気後退サイン(当て嵌まるのは中国のみ)
  • 新興国 成長率5%以上で優秀
    中低クラス(平均所得5000~1万5000ドル) 成長率3-4%で優秀
    中間クラス(平均所得1万5000ドル~2万5000ドル) 成長率2-3%で優秀
    先進国(平均所得2万5千ドル以上) 成長率1.5%で優秀

 

判定基準① 人口構成

  • 生産年齢人口の増加率2%以上あれば成長に寄与できる
  • 経済の潜在成長率=生産性の伸び率+労働人口(15-65歳)の伸び率
  • 人口減少は、[1]移民、女性の社会進出で補完する(移民は減っていく)
    [2]ロボット(AI)で補完する

 

判定基準② 政治サイクル

改革者はいつ俗物に変わるのか(危機が改革者を生み、経済発展をもたらした後に改革者がポピュリストになり、また危機が訪れる)

 

判定基準③ 格差

  • 不平等の程度が高過ぎても低すぎてもダメ
  • 日本の億万長者の割合はGDPの2%=富の創造で慢性的な機能不全におちいっている
  • お金持ちを見ればその国の将来が分かる

     悪い億万長者(レントシーキング/たかりや)賄賂や利権などで稼ぐ
     悪い億万長者比率が高いかどうか

  • 不平等が小さければ成長は長期持続するが、逆に不平等が大きく急速に拡大していれば成長は早い段階でポシャってしまう

 

判定基準④ 政府介入

政府介入は少ない方が良い(国家資本主義の限界)

  1. GDP比の政府支出の目的が生産的かどうか
  2. 国営業や銀行が政治目的で悪用されているかどうか
  3. 政府が民間企業に与える成長機会

 

判定基準⑤ 地の利

  • 隣国の混乱(イランとドバイの関係)
  • 輸出に有利な地域
  • 隣国との絆(経済的パートナーシップ)
  • 第一の都市と第二の都市の人口の偏在(人口比1/3以内)
  • 人口100万人都市が増えているかどうか(日本は浜松のみ)

地の利の優位性(成長順)
アジア 1)中国2)ベトナム3)バングラディッシュ
欧州  1)ポーランド
南米  1)メキシコ2)コロンビア

 

判定基準⑥ 産業政策

  • 富裕層はすぐに逃げ出す
  • 経済=消費+投資』で成り立つ
  • 成長と景気循環にとって重要なのは投資。投資のシェアの上昇率で成長率を計れる(GDP比25-35%
  • 製造業のGDPに占めるシェアは20-30%でピーク=一人当たりの平均所得1万ドルに達する
  • 投資の上限GDP比35%を超えると副作用が強まる=景気循環による景気後退
  • サービス業で国家を発展させるのは難しい(インドもフィリピンも大きな雇用をうんでいない)製造業の発展は国家に安定をもたらす
  • 経済は、良いバブルと悪いバブルを行ったり来たりする
    良いバブル: IT投資のような弾けた後に遺産が残る(光ファイバー網、成功したベンチャー、先端技術)
    悪いバブル: 不動産(借金だけが残る)不動産投資がGDP比5%を超えるとバブル崩壊
  • 製造業は長期成長をもたらす。商品経済(原油等の資源など)での成長は上昇10年後に低迷20年

 

判定基準⑦ インフレ

  • 住宅価格の上昇率が経済成長率を上回り続けていないか(資産バブル崩壊が経済危機を引き起こす)
  • 低インフレが経済成長の条件(低インフレは良いサイン、高インフレは悪いサイン、デフレには明確なルールがない)

 

判定基準⑧ 通貨

  • 済収支の赤字の対GDP比が5年連続3%以上なら要警戒
  • 資金は逃げ足も速いが戻るのも早い
  • 変動相場制は通貨危機後の回復が早い

 

判定基準⑨ 過剰債務

  • 債務の伸び率は経済成長率より高いか(債務の水準ではなく伸び率が重要
  • 民間債務の対GDP比増加幅が40%を超える5年以内に金融危機に陥る
  • 金融危機の原因は(政府の借金ではなく)民間の債務バブルが引き金となる

 

判定基準⑩ メディア

メディアに特集された時がピークで、メディアから見放された時がチャンス

 

まとめ

「循環」が未来を支配する(永遠に発展する国はない)

先進国での有望国: アメリカ、ドイツ
中所得国: メキシコ
低所得国: 南アジア、東アフリカ、東南アジアの一部